2023.12.23 ドラマセクション冬公演 観劇記

駿台E.S.S.の皆様、現役生の皆様こんにちわ。83代(平成6年卒)ドラマセクションの門間です。今回縁あって現役生の公演を観劇する機会を頂きました。僭越ながら感想などをお伝えできればと思いましてこの記事を書いています。

だいぶ昔話になってしまいますが、小生らが活動していた平成3年頃は、いわゆるバブル期の末期にあたり、世相も狂乱の熱気に満ちていたように思います。この時代は5大学英語劇連盟(F.U.E.T.)も健在で、上演時間が80分程度に制約されている中、各大学は切磋琢磨していい舞台を作ろうと競い合っていたことが思い出されます。

さて、今回E.S.S.ドラマセクションの公演は”The Greatest Showman”をベースにしたミュージカルだったわけなのですが、今回最も素晴らしいと感じたのは、やはり主人公のバーナムが圧倒的な力強さで生き様を観客に見せつけたということです。この主人公はまさにドン・キホーテ、がむしゃらに理想に突き進み、他人と衝突し、時に打ちひしがれ、見ているほうはいちいち共感してハラハラするばかりでした。そして最後は人として大事なことを再発見するんですね。2時間半もの間、観客の目を舞台にくぎ付けにしておくというのは生半可な集中力でできるものではありません。また、その力強さが伝わってきたのも妻のチャリティをはじめ、ほかのキャストと舞台上での意思疎通がきちんとできていたからではないかなと思いました。

舞台装置については特に目を引いたのは、ショーのオーディションで出てくるポスターですね。写真をお見せできないのが残念なのですが、出演者の特徴をいい具合にデフォルメしてあるのですが、ホントにこれ美術専攻じゃない学生が作ったの?というクオリティで、商業美術として通用するレベルだったと思います。なによりこのポスターがあることで、後のシーンで出演者の個性を観客に印象付けられていたわけです。技術の進歩を感じたのは、照明がすべてLEDになっていることで、大学の教室で賄える程度の電力でもちゃんと舞台照明として成立するように照明器具が設置できているし、音響効果の音質もかつてに比べると圧倒的によくなっていたところですね。これらの要素を使いこなしていることも今回の舞台が成功した理由だと感じました。字幕があるのも良かったですね。

今回観劇の機会を得たことで、オトナの仲間入りして幾年月、いつのまにか置き去りにしてしまっていたことをわたし自身が再発見できたということに気づきました。年齢を重ねるごとに、「見えてくる」というか、物事に見通しがつくようになる(あるいは見通しがついているような気がする)というのは多くの人が持つ経験だと思います。それと引き換えに、特に50歳を過ぎるあたりから人生の熱量が下がってきちゃったり、挑戦をする気力がなくなってきちゃったりしています。でも、今回現役生の舞台を見ることで凄いエネルギーをもらったように感じています。

ドラマセクションに限らず、OG/OBの皆様も、時々は現役生の公演に足を運んでみてください。そして元気になって明日も頑張りましょう!

もんま

 

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